

- Jun 22, 2015
アリーシャ・グラフ・マック引退公演
リンカーンセンター公演最終日の公演は、私の良き友人であり尊敬するカンパニートップダンサー、アリーシャ・グラフ・マックさんの引退公演となった。 アリーシャさんは実力と人気を共に、エイリーカンパニーはもちろんアメリカダンス界のスターダンサーとして長年活躍してきた。2010年に私の妻ジェシカ・ラング作品を彼女が踊った時に初めて出会い、2011年に私がエイリーカンパニー入団してからは、年齢も同じということもありすぐに仲良くなった。 長身で美しい容姿から醸し出される素晴らしい踊りはもちろんのこと、その人間性が素晴らしい。スターダンサーとして気取るところはひとつもなく、常に優しくかつ知的な人である。エイリーカンパニーは32人ダンサー達がいる中で、年齢層も20代前半から40代前半まで幅広い。その中でアリーシャさんとは同じ感覚を持つ同世代として、ほか数人の仲間と共に私がカンパニーで一番親しい友人となった。世界中をツアーして一緒に周り、楽しい思い出の数々は尽きることはない。ダンサーとして、友人として、彼女と同じ時代に踊り生きたことを光栄に思う。そんなアリーシャさん


- Jun 22, 2015
リンカーンセンター公演 2015−2
エイリーカンパニー、リンカーンセンターでの全公演が終了した。 私はエイリー氏振付「レベレーションズ」や「夜の生き物」はもちろんのこと、マシュー・ラッシュング氏振付「オデッタ」やホフェッシュ・シェクター氏振付「アップライジング」などを主に踊った。 今週最もエキサイティングであったことは、エイリーカンパニー芸術監督ロバート・バトル氏の振付作品「No Longer Silent」がカンパニー初演されたことである。1940年代ナチスによって殺害された作曲家Erwin Schulhoffの人生をインスピレーションとして創作されたこの作品は、パーカッシブなスコアに18人のダンサー達がダイナミックに踊る30分に渡る大作である。 初演直後、カーテンコールの幕が下るとバトル氏大喜びの顔が見える。彼とハグを交わし新たな成功の瞬間を分かち合うことが出来た。バトル氏が芸術監督となった2011年からここ数年間、バトル氏はディレクターとしての多忙な日々を送ってきた為、彼の作品はソロなどの小品のみ上演してきた。が、今回こうしてようやく大きなアンサンブル作品をエイリーカンパニー


- Jun 15, 2015
リンカーンセンター公演 2015
2週間に渡るリンカーンセンター、デビット・H・コック劇場(旧ニューヨークステイトシアター)での公演が開幕した。 当劇場は、伝統と歴史あるニューヨークシティーバレエ団の本拠地である。私が初めてこの舞台で踊ったのは今からちょうど10年前の2005年、マークモリスダンスグループ公演であった。舞台稽古の時にマーク・モリスさんが仁王立ちで舞台真ん中に立ち(それだけでもかなりの迫力なのだが)、私達ダンサー達に駄目出しをするのを聞きながら、あぁここであのロビンズ氏やバランシン氏が名作の数々を創作し、アメリカバレエ界の歴史を築かれたんだなぁと大きな感動があったのを思い出す。 それから10年間幾度に渡り、マークモリスダンスグループ公演そしてここ数年はエイリーカンパニー公演にて、この美しい大舞台で踊れることに非常に大きな喜びを感じる。エイリー公演は、ニューヨークの気候が一番心地よい季節の6月に行われ、初日のガラ公演後に劇場バルコニーにて行われるレセプションはいつも素敵であり、毎年私が楽しみにしているイベントのひとつである。 今週エイリー公演のメインイベントは、ヒップ