

- Jul 27, 2015
フランス・パリ Week-3
私の母である亜甲絵里香は、若かりし頃このパリでダンスを勉強し、その後も幾度に渡りパリで創作発表をしてきた。その影響で兄の寛一も留学先にフランスを選択し、その後10数年間に渡りダンサーとして活動、パリ国立舞踊センターにて仏国家教師免状も取得した。母に連れられて初めて私がパリを訪れたのは14歳の時で、「サロンドラダンス」というフェスティバルにて母と兄の3人で踊った。 それから20年あまり経った今、私がエイリーカンパニーとしてパリでこうして公演することになろうとは、その時には全く予想もしていなかった。3年前のパリ公演では、家族全員が日本から駆けつけ、私の晴れ舞台を観にきてくれた。私たち家族にとって縁深いこのパリにて祝福し、素晴らしいパリの思い出をまたひとつ作ることができた。 一ヶ月に渡るパリ公演、早くも3週間目を終了した。肉体的な疲労とは裏腹に、毎晩最高の舞台をパリのお客さんと分かち合うことが出来て、興奮と感動に満ち溢れている。 今回のパリ公演では、芸術監督のロバート・バトルさんの作品も多く発表している。ロバートさんの作品は、とにかくスピーディー、ダイ


- Jul 20, 2015
フランス・パリ Week-2
最後のカーテンコールで舞台上から見る観客席の眺めは圧巻である。5階席の最後方まで満席であり、そこから立ち上がり両腕を振って喜んで下さる姿をみると、なんとも言えない感動が込み上がる。エイリーカンパニーのカーテンコールでは、最後かならずダンサー達がお客さんに向けて拍手をし感謝の気持ちを表すのだが、私達も舞台上から5階席まで届くように「ありがとう!」という気持ちを込めて、両腕を大きく振った。 今回1カ月に渡るパリ公演で私達が踊る作品の数は計18作品。毎日変わるプログラムの上、キャストも各作品変わるためその分リハーサルも毎日あり、お昼から公演の直前までリハーサルをしている。毎年12月に5週間行われるニューヨークシーズン公演並みのハードさである。 その多いレパートリーの中で、オハッド・ナハリン氏振付による「マイナス16」という作品がある。作品の途中にダンサー達が客席に下りてパートナーを選び、そのままお客さんを舞台に上げて一緒に踊るという粋な演出があり、劇場が最高に盛り上がる人気作品である。 演出上の決まりとして、ダンサー達は言葉で話してはいけない。パートナ


- Jul 12, 2015
フランス・パリ Week-1
楽しみにしていたフランス、パリ公演がいよいよ開幕した! 3年ぶりとなるエイリーカンパニーのパリ公演は、週7回公演をこれから1カ月に渡り行う。劇場は美しく素晴らしいシャトレ劇場。1911年にバレエリュスにより「ペテルーシュカ」が初演されたのが、このシャトレ劇場である。伝説的ダンサー、ニジンスキーが踊ったこの舞台で、一ヶ月間毎日踊れることはダンサー冥利に尽きる。3年前に初めてこの舞台に立ち、「レベレーションズ」の男性バリエーションを踊った時、なんとも言えない緊張と震えがあったのを思い出す。 初日のガラ公演は今シーズンの抜粋作品が多く踊られ、とても華やかなプログラムであった。最後「レベレーションズ」の後、満員のお客さんは総立ちのスタンディングオベーションで迎えて下さった。ヨーロッパの中でもパリのお客さんはひときわ熱狂的である。(ドイツのお客さんも毎回すごい情熱的なのだが)手拍子と掛け声だけでなく、足踏みをバタバタ!バタバタ!とし喜びを表現して下さる。3年前のパリ公演の際でも感じたが、この足踏みはさすがにアメリカのお客さんでもしないので、あぁパリ独特だな