ワシントンバレエ団2021
私の妻ジェシカ・ラングの新作クリエーションを、ワシントンバレエ団にて行った。ダンサー達全員がワクチン接種完了に伴って、パンデミック後初となるマスク着用なし、ソーシャルディスタンスなし、人数制限もなしでのリハーサルとなり、様々な意味で感喜余る素晴らしいクリエーションとなった。
ベートベンのストリングトリオ”セレナード”から15曲を使用、時代を超えた普遍的音楽の美しいメロディに乗せて、ジェシカの卓逸した構成力、音楽性、詩的かつヒューマニティー溢れる美しいバレエ作品がまたひとつ完成された!

ワシントンバレエのダンサー皆さんにとってもカンパニー全員が同じスタジオに入り、マスクなしでのリハーサルはパンデミック始まって以来のことだったそうで、最終稽古後の集合写真、感動と笑顔に溢れた素晴らしい瞬間となった!
芸術監督のジュリー・ケントさん、ご主人で副芸術監督のビクター・バービーさんと共に。

ジュリーさんがまだ現役で踊られていた時にジェシカがジュリーさんにパドドゥ創作依頼され振付したのをきっかけに、それから長年ジェシカの作品を愛しサポートして下さっている。言わずと知れた大スターでありながら、優しさとフランクさに満ち溢れた美しいジュリーさんであるが、同時に彼女の芸術監督としてのリーダーシップの凄さは、毎回こうしてご一緒させて頂く度に痛感する。そして長年ABTでもバレエマスターを務められたビクターさんと、一緒に肩を並べてリハーサルを行い仕事をすることが出来たのも大変光栄なことであった。クリエーションにおけるビクターさんの洞察力、音楽的観点など学ぶこと多きであったが、同時にアメリカバレエ界の昔の様々なエピソードなどユーモアたっぷりにお話してくださり、様々な意味で楽しんで、クオリティタイムを過ごすことができた。
ワシントンバレエ団で活躍する日本人のダンサー達!(左よりTamako Miyazakiさん、Ayano Kimuraさん、Maki Onukiさん、Masanori Takiguchiさん)

ジェシカはどこのカンパニーでも日本人ダンサー大好きでキャスティングするのだが、ワシントンバレエ日本人ダンサーは特にジェシカのお気に入りであり、前回の同バレエ団でのクリエーションに引き続き、今回も彼らの輝かしい踊りで作品を彩ってくれた!多くのキューバ人をはじめとする国際色豊かなダンサーが揃った同バレエ団であり、日本人ダンサー達の活躍は言うまでもないが、加えて特筆すべきはフィリピン人ダンサー達の存在がさらに魅力あるカンパニーにしている。まだ若いが驚くほどの才能を持った彼らの将来が非常に楽しみだ。
ワシントンバレエ団のガラ公演がケネディセンターの屋外プラザで行われた。私とジェシカにとってもパンデミック開始後初めてのガラ出席となり、ワクチン接種伴いダンス界も少しずつ回復に向かっている大きなステップ、希望を感じることができた。