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緊急事態期間 - 2

コロナ状況下、私自身が行ってきた主な活動内容は前回のブログでも述べた。同時にこの期間中、私にとって最も充実した時間は、私の妻、振付家ジェシカ・ラングとの創作活動を共に出来たことである。舞台公演が立て続けにキャンセルとなるなかで、ジェシカがご依頼を受けている創作委嘱作品も、全て映像での舞踊作品に切り変えなくてはならなくなった。その過程の全てを、クリエイティブアソシエイトとして彼女のアシストを務め、この期間中3つの素晴らしい作品を一緒に創りあげたことをとても誇りに思う。




パシフィックノースウェストバレエ団、「ゴーストバリエーション」作品詳細とサンプル映像

アメリカ国内バレエ団の中でも真っ先にリハーサルを再開、そして創作、劇場での撮影までを計画して行ったのがシアトルにあるパシフィックノースウェストバレエ団。8月ジェシカと共にシアトルへ1か月滞在、厳しいプロトコールに従い、最大の注意と安全を意識しながらの創作過程となった。ダンサーたちもソーシャルディスタンス、マスク着用でのリハーサルとチャレンジ連続であったが、美しい作品を共に創り上げ、最後には達成感に満ち溢れ、大きな感動を分かち合うことが出来た。

11月オンラインでのデジタルプレミア放映に向けて、映像の撮影と編集の全監修も私とジェシカが担当した。撮影当日はカメラ3台を使い撮影、その後2ヶ月かけてシアトルの編集チームの方々とズームでのミーティングを重ね、完成した。




アメリカンバレエシアター「Let Me Sing Forevermore 」作品詳細とサンプル映像

アメリカンバレエシアター、春のガラ公演も突如オンラインでの放映に変更された。アメリカンバレエシアターの創立80周年記念となるはずであったメトロポリタン歌劇場での公演も全部キャンセルとなり、もともとジェシカの作品が当シーズンのプログラムで上演される予定だったこともあり、芸術監督のケビン・マッケンジー氏のご依頼で急遽、オンライン放映に向けた作品を創作することになった。ニューヨークもロックダウンを開けたばかりの春、何とか外での撮影なら安全と言うことでセントラルパークに向かい撮影をした。若手有望ダンサー、キャサリン・ハーリンさんとアーラン・ベルさん、実生活でもカップルであり既に同居していた理由から、コロナ影響の安全性も確かであり、2人のためのデュエットを振付することとなった。大御所歌手のトニー・ベネットさんが映像での特別出演をして下さり、彼の歌声に合わせて踊られる特別なパドドゥとなった。

全映像、私が撮影し、編集を担当した。どこをとっても絵になるセントラルパーク、快晴であった当日の自然の光を利用し、ロマンチック、エネルギーと光溢れる、美しい作品に仕上がった。



アメリカンバレエシアター、プリンシパルダンサー、ステラ・アブレラさん引退作品

コロナの影響のため、舞台芸術、公演が次々にキャンセルしまったことにより、今シーズンを持って引退を決意していたダンサーたち、彼らの引退公演が奪われてしまった残念なケースが多くあった。アメリカンバレエシアターのプリンシパルダンサーであった、ステラ・アブレラさんもその1人であり、7月のメトロポリタン劇場公演をもって引退予定であったが、残念ながら実現することができなかった。ステラさんからのご要望のもと、芸術監督のケビン・マッケンジー氏のご依頼を再び頂き、ジェシカがステラさんの引退作品を、映像作品として創作することになった。ステラさん、そして彼女のご主人で、現在アメリカンバレエシアタースタジアカンパニー芸術監督であるサーシャ・ロデンスキーさんと私達は、普段から友好関係があることもあり、喜んでご依頼を受けることになった。彼女はこの時点で、ニューヨーク近郊にある美しいダンスセンター、カッツバーンインターナショナルの芸術監督になることが決まっており、私とジェシカがその施設を訪れ、野外での撮影をすることになった。サーシャさんにも特別出演をしてもらい、自然に溢れた施設をバックグラウンドに2人が舞い、とても美しい作品を完成することができた。なおこのプロジェクトは、著名振付家他数名がステラさんのために作品を提供することになっており、その全てが完成するのはまだ未定、オンラインでの世界初演が今から待ち遠しい。

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