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アリーシャ・グラフ・マック引退公演

リンカーンセンター公演最終日の公演は、私の良き友人であり尊敬するカンパニートップダンサー、アリーシャ・グラフ・マックさんの引退公演となった。

アリーシャさんは実力と人気を共に、エイリーカンパニーはもちろんアメリカダンス界のスターダンサーとして長年活躍してきた。2010年に私の妻ジェシカ・ラング作品を彼女が踊った時に初めて出会い、2011年に私がエイリーカンパニー入団してからは、年齢も同じということもありすぐに仲良くなった。

長身で美しい容姿から醸し出される素晴らしい踊りはもちろんのこと、その人間性が素晴らしい。スターダンサーとして気取るところはひとつもなく、常に優しくかつ知的な人である。エイリーカンパニーは32人ダンサー達がいる中で、年齢層も20代前半から40代前半まで幅広い。その中でアリーシャさんとは同じ感覚を持つ同世代として、ほか数人の仲間と共に私がカンパニーで一番親しい友人となった。世界中をツアーして一緒に周り、楽しい思い出の数々は尽きることはない。ダンサーとして、友人として、彼女と同じ時代に踊り生きたことを光栄に思う。そんなアリーシャさんがカンパニーからいなくなってしまうことは、私にとって非常に悲しいことである。

現役最後の舞台、演目はもちろん「レベレーションズ」。白い衣装と大きな傘を掲げアリーシャさんが登場すると観客が大きく湧いた。そのセクションで私は行列を引率し、最初の出と最後の締めを踊るパートを踊った。この日はいつもよりも「アリーシャ!」とアリーシャさんにエネルギーを向けて踊っていたのは、私だけでなく舞台上ほかのダンサー達全員がそういう気持ちで踊っていたのが感じられた。

そのアリーシャさんが今年の春に出産をし、元気な男の子を授けられた!彼女にそっくり長身で美しい赤ちゃんである。彼女が引退することは世界中の彼女のファン、エイリーカンパニー、そして私にとってとても悲しいことであるが、彼女の新たな人生のチャプターの幕開けを祝福し、これから幸せな人生を送ることを心から祈っている。

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