top of page

ニューヨーク公演リハーサル ロバート・バトル世界初演作品 + ポール・テイラー作品

アフリカツアーから戻り、次は12月のニューヨーク公演に向けてのリハーサルが早速始まった。

ツアーの為、一年の半分以上ニューヨークを離れ、200回以上の公演をして回る私たちにとって、このニューヨークでの2カ月のリハーサル期間は様々な意味で重要である。12月のニューヨーク公演では、世界初演、カンパニー初演の作品数々が発表される。その準備期間となるこのリハーサル期間、新しい振付家を招き、新しいレパートリーの作品の練習にどっぷりと時間と労力を費やす。

今年の新作の中で私が最も楽しみにしているのが、カンパニー芸術監督ロバート・バトル氏の世界初演作品「Awakening」の発表である。ロバートさんが芸術監督に就任されてから早くも5年目、待ちに待ったエイリーカンパニーでの新作である!2000年から彼の踊りを踊り続けている私にとって特別な想いがあるのは言うまでもなく、実にエキサイティングなことである!

今回の新作創作にあたり、この数年間ツアー中に、時間を見つけてはロバートさんとスタジオに入り準備をしてきた。今年も夏のパリ公演の際も、ロバートさんに呼ばれた私とほか数名のダンサー達は、シャトレ劇場のスタジオに入り創作に携わった。

そして今月いよいよカンパニー全員でのリハーサルが始まった!ロバートさんの振付の特徴であるスピーディーで激しい動きはもちろんのこと、この作品もとにかく走る、走る、走らされる!みんなハー、ハー言いながらも楽しんでいる。が、実は一番楽そうなのはロバートさん!である。「ディレクター」として多忙を極めてきたこの数年を経て、ようやく「振付家」としてスタジオにて創作過程に戻り、汗をビッショリ!かきながらも自分で動きながら振付をしていく。彼のパーソナリティーである、ユーモアとジョークの連発も絶好調!で、真剣な中でも終始笑いが絶えない、とてもいい雰囲気でリハーサルが進んでいる。

これは昔からであるが、ロバートさんの振付の過程はものすごく早い!今回も多少の準備を事前にしていたとはいえ、リハーサル開始からなんと1週間半で20分近い作品を完成させてしまった!(通常は3-5週間) 昔からコラボレーションをしている作曲家ジョン・マキさんのシンフォニー音楽に乗せ、キャスト12人によって踊られる壮大で美しい作品となった。

世界初演は12月4日の午後8時公演、シティーセンター劇場で迎えられる。今から非常に楽しみである!

同時進行で今月は、ポール・テイラー氏作品「PIAZZOLLA CALDERA」のリハーサルが行われた。今年から新しいレパートリーに加わる作品のひとつである。振り移しにきてくださったのは長年テイラーダンサーとして活躍されたアジア人ダンサー、リチャード・チェンさん。「PIAZZOLLA CALDERA」はタンゴの曲に合わせ情熱的に踊られるテイラー氏の人気作品である。3週間にわたりリチャードさんからテイラースタイルをびっちりと伝授されただけでなく、テイラー氏に関するストーリーをいくつも聞くことができたりと、大変貴重な時間を過ごすことができた。

私がポール・テイラー氏の作品を踊るのは、2011年にエイリーカンパニーのレパートリーに取りいれられた「アーデンコート」以来であり、今回が2作品目となる。アメリカのモダンダンスを愛する私にとって、エイリーカンパニーに入団してから、アルビン・エイリー氏作品はもちろんのこと、ポール・テイラー氏やビル・Tジョーンズ氏という、アメリカ舞踊史を築かれてきた偉大な振付家の方々の作品を踊り、ダンサーとして身体で持ってそれを感じ取ることが出来ることに多大な幸せを感じる。今回もテイラー氏の「PIAZZOLLA CALDERA」を踊れることに感謝し、これから世界中でこの作品を踊っていけることをとても楽しみにしている。

51 views
Featured Posts
Recent Posts
Archive
bottom of page