シティーセンター公演2015-3 ブルース組曲 + クライ + ラブソングス
「ブルース組曲」、「クライ」、「ラブソングス」の3作品は全てアルビンエイリー氏によって振り付けされた古典名作であり、今シーズンの再演作品ハイライトとして上演される。
「ブルース組曲」は、アメリカ南部テキサスで育ったエイリー氏幼少時の記憶、ブラッドメモリーからインスパイアされた作品であり、ブルース音楽にのせて哀愁とヒューモアに溢れている。またこの作品は1958年、エイリーカンパニー結成デビュー公演をニューヨークで行ったときに発表された作品であり、「レベレーションズ」とならぶエイリー氏の代表作品である。「クライ」はジュディス・ジャミソンさん、「ラブソングス」はダッドリー・ウィリアムズさんというアメリカ舞踊史上の伝説的ダンサーの為に、それぞれ創作されたソロ作品である。2作品とも1972年に発表され、また両作品それぞれ16分間という大作のソロである。
これら「ブルース組曲」、「クライ」、「ラブソングス」は、人間の喜怒哀楽を、情熱的に表現した作品であり、魂込めた踊りというのはまさにこのことである。エイリー氏が常に語った「ヒューマニティー」を感じることの出来る作品であり、人間の苦しみや叫び、生きる力、そして愛などが、ストレートに伝わり大きな感動がある。また何故エイリー氏の作品が世界中の人々に愛され、アメリカモダンダンスの歴史となったのかが証明される名作でもある。
エイリーカンパニーが進化と成功を続ける現在において、これらの歴史を伝えていくことはとても重要である。私達この世代のダンサー達にとって、今年春に亡くなる直前まで指導してくださったダッドリーさん、そして今も常に直々指導をしてくださるジュディスさんなどに彼らが創作してきた歴史を伝授していただけるのは、本当に幸せなことであり、大きな宝である。
2015年今シーズン、「クライ」と「ラブソングス」現在のエイリーカンパニーが誇るトップダンサー達によって踊られる。ジュディスさんやダッドリーさんの魂が、現在のダンサーの中に入っているかのような熱い踊りが彼らによって踊られる。16分間に渡りたった一人で踊り斬り、舞台上で溢れ出すそのエネルギー、毎回涙なしに観ることはできない。
そして明日の12月20日、私が「ブルース組曲」デビューを果たす!アルビンエイリー作品を愛する私にとって、エイリーダンサーとしてこの作品を踊れることはBeyond Exciting! である。この「ブルース組曲」再演はもちろん我らが副芸術監督の茶谷さんが一人でリステージして下さった。エイリー氏下で直々に指導を受け長年この作品を知り尽くしている茶谷さんが、心を込めて私達に指導して下さった。そのパッションを心に入れて、私も明日は魂溢れる踊りをすると誓いたい!
ちなみに明日の公演「クライ」はジャキリン・グリーン、「ラブソングス」はジャマー・ロバーツというふたりとも、ゴージャス!で、アメージング!で、本当に素晴らしいダンサー達によって踊られる!!

1958年エイリーカンパニー、 「ブルース組曲」

ジュディス・ジャミソンさん

ダッドリー・ウィリアムさん